【第8回@7/4-5】日本在宅医療連合学会大会 参加記

投稿者: | 2026年7月6日

(渡部)7月4日・5日、札幌コンベンションセンターで開催された第8回 日本在宅医療連合学会大会に参加しました。大会長は大友宣先生。昨年、第7回 地域フォーラム – 立川にて井尾先生や荘司先生のお陰でご一緒させてもらい今回の大友大会長からお声掛けいただけたことで、今回の札幌参加を実現することができましました。巻き込み力を学ばなくてはです(笑)

 ちなみに私は脳卒中発症から約5か月、退院からまだ3週間ほどという時期での参加でしたが無事に会場まで足を運ぶことができました。体力的には決して楽ではありませんでしたが、それ以上に学びが大きく来て本当によかったと感じる充実した2日間でした。


●1日目の流れ

 初日は開会式に続き、理事長・大会長講演から始まりました。午前中のシンポジウムでは在宅医療の死生学―死では終わらない領域に目を向けるを聴講しました。井口真紀子先生をはじめ、死生学というテーマに正面から向き合う内容で、深く考えさせられました。中でも田中善啓先生の僧医という存在感は非常に印象的で、医療と宗教、死生観、地域の支え合いが重なる領域の奥深さを感じました。

 昼は、樫尾明彦先生による在宅医療でこそ使える漢方薬のランチョンセミナーに参加しました。漢方の話を在宅医療の現場感覚に引き寄せて、とても分かりやすくお話しいただき、実践的にも学びの多い時間でした。

 午後最初の夏の夜の語りの場では、名郷直樹先生のご登壇がありました。名郷先生は武蔵国分寺公園クリニックの名誉院長でもあり、私たちが毎年参加している国分寺まつりでフレイル予防の啓発活動を行っていることもあって、勝手ながら国分寺つながりを感じながら拝聴しました。とてもユニークで会場全体が和む時間でした。一緒にスナックでも言ってみたい(笑)

 1日目の最後は、おもいを叶える在宅ケア ~日本独自のQOLを再考~。フレイルとの出会いは先生との出会いと言っても過言じゃない!飯島勝矢先生にも久々にお会いすることができ、改めて気持ちが引き締まりました。在宅医療、フレイル予防、地域包括ケアを自分の活動としてどう結び直していくかを改めて考える大切な機会となりました。


●著者コーナーでの思いがけない出会い

 会場に設けられていた著者コーナーでは、まさかの安井佑先生のサイン会がありました。小堀先生から昔サイン本をいただいたことを思い出しながら、その当時おうちにかえろう病という斬新な病院を建設中だった安井先生について、小堀先生が若いけれど優秀で、よく話すと仰っていたことも思い出しました。

 その頃からどこかでつながっていたのだと思うと、胸にじんとくるものがありました。サインには「力愛不二」と書かれており、この言葉もまた深く考えさせられるものでした。もっともっと話したかった。これからも勝手に応援しています。


●会場企画と懇親会

 会場では食べラララララさるスクエアとして、北海道らしいキッチンカーや飲食ブースも充実していました。豚丼、パン、フライドポテト、おにぎり、ラクレットチーズ、ソフトクリーム、ジェラート、自家焙煎珈琲など、学会にいながら北海道の食も楽しめる工夫がされていました@@

 2階では、超宗派の宗教者らによる傾聴移動喫茶カフェ・デ・モンクも開催されていました。モンクには僧侶の意味だけでなく、文句を聴く、悶苦をともにするという意味も込められており、今回の大会テーマとも響き合う企画だったように感じます。

 そして、夜の懇親会はアサヒビール園にて開催されました。参加者700名規模という大きな懇親会で、ジンギスカンも最高でした(笑)。学びだけでなく、人と人とのつながりを改めて感じる時間になりました。


●●2日目の流れ

 2日目は朝イチから、R8診療報酬改定を見据えた在宅医療の未来戦略~制度乱用防止と多職種連携~切れ目ない地域包括ケアと入退院支援をどう実現するか~に参加しました。改めて制度と現場の接点を学ぶことができました。また荘司輝昭先生のお話からはいつもながら強い思いが伝わってきました@@

 続いて、住民とつくる、住民がつくるケアするコミュニティを聴講しました。座長の佐々木淳先生も気になっていたこともあり、地域住民が単なる支援の対象ではなく、ケアする主体にもなっていくという視点は、フレイル予防や地域活動にも直結する大きな学びでした。

 昼のランチョンセミナーでは、在宅医療におけるオンライン診療の活用~診療報酬改定と医療MaaSから考える地域医療の未来を聴講しました。オンライン診療というと地方やへき地の課題として捉えがちですが、東京、都市圏こそもっと自分事として考える必要があると感じました。

 午後は、洪英在先生とのご縁もあり、『できない』を『できる』に変える、医科歯科連携の新標準のシンポジウムに参加しました。医科歯科連携は、これまで自分にとってあまり縁の深い分野ではありませんでしたが、共通言語とシステムを通じて多職種協働を進める重要性を学ぶことができました。

 最後に参加した本当に口から食べることはもうできないのかを本気で考えるでは、大井裕子先生、佐々木淳先生らのお話を伺いました。大井先生とは活動している地元が重なる等ご縁もあり、今後ぜひ深掘りしてお話しする機会があればと思いました。佐々木淳先生は山崎章郎先生の小平ケアタウンの流れを継承されていることもあり、在宅医療の歴史とこれからをつなぐ存在として、改めて注目したいと思っています。

来年の東京大会の大会長でもあり、会場もビッグサイトとのことで、ぜひ参加させていただきたいと思います。


● 総括 ●

 今回の札幌大会は、単に在宅医療の知識を得る場ではなく、死生学、漢方、地域包括ケア、住民主体のコミュニティ、オンライン診療、医科歯科連携、食支援、看取りまで、在宅医療を取り巻く幅広いテーマを一日一日かけて体感するような学会でした。

 脳卒中発症から5か月、退院後間もない中での参加でしたが、だからこそ人が地域で生きること・支えられながらも社会参加すること・死を見つめながらよりよく生きることが、自分自身の体験とも重なって深く響きました。

 大友大会長をはじめ、今回ご縁をいただいた先生方、関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。今回の学びを、地域でのフレイル予防、健康生きがいづくり、在宅医療・地域包括ケアの活動にしっかりつなげていきたいと思います。