【おすすめ】人生をしまう時間(小堀鷗一郎)

投稿者: | 2020年6月11日

東大病院の名外科医がたどりついた最後の現場
それは、「在宅」の終末期医療だった。

 超高齢化が進み、やがて多死時代を迎える日本。近年、国は医療費抑制のため終末期医療の場所を病院から自宅に移す政策をとってきた。同時に、家族に看取られ、穏やかに亡くなっていくことを目指す「在宅死」への関心が高まっている。しかし、家族との関係や経済力など事情はそれぞれ。「理想の最期」の前に、厳しい現実が立ちはだかることもある。
 都会の片隅で、「在宅死」と向き合うベテラン医師がいる。埼玉県新座市の「堀ノ内病院」に勤める小堀鷗一郎医師、80歳。森鷗外の孫で、東大病院の名外科医だった彼がたどりついた最後の現場が、在宅の終末期医療だった。患者と家族とともに様々な難問に向き合い、奔走する医師や看護師、ケアマネージャーたち。一人ひとりの人生の終わりに、医療に何ができるのか。映画は、地域の在宅医療に携わる人々の活動に密着し、命の現場を記録した。

【映画】人生をしまう時間 https://jinsei-toki.jp/characters.php

 本作は、NHK BS1スペシャル「在宅死 “死に際の医療”200日の記録」に新たなシーンを加え、再編集をほどこした待望の映画化である。「どんな最先端の医療より、人との繋がりや愛情が最も人を癒すのだろう。最後まで目が離せなかった」「いま介護に直面してる人もそうでない人もぜひ見るべき」「在宅死のきれい事ではない現実に最初は目を背けてしまいそうだったが、家庭ごとにドラマがあり2時間引き込まれた」など、番組は大きな反響を呼び、〈日本医学ジャーナリスト協会賞大賞〉を受賞。自らカメラを回した下村幸子監督は、親密な距離から、いくつもの決定的な瞬間を捉え、命の終焉に立ち会う人々の微妙な感情の動きを映し出していく。

いのちの終(しま)いかた「在宅看取り」一年の記録 [著] 下村 幸子

延命より、充実した最期の日々を。

 国民の半数以上が「住み慣れた家で逝きたい」と望んでいる。それを実践した人びとは、どのように最期を迎えたのか――。2人の訪問診療医が向き合った患者たちの最期の日々。大反響を呼んだNHK BS1スペシャル『在宅死 ”死に際の医療”200日の記録』(2018年6月放送)のディレクターが綴る、「葛藤」と「納得」の死を見つめた渾身のノンフィクション。「亡くなった患者さんたちに教えられたことを、一人でも多くの人に知ってほしい」という著者の思いが詰まった書。

目次

序 章 風変わりな医師――小堀鷗一郎医師との出会い ほか
第1章 子が親を看取る――70代の夫婦が103歳の母親を介護する ほか
第2章 親が子を看取る――77歳の母親が52歳の娘を看取る
第3章 伴侶を看取る――82歳の夫が85歳の妻を介護する ほか
第4章 独居の病人を看取る――独居の95歳を訪問診療チームが支える ほか
終 章 在宅医療のこれから――変わる終末期医療、問われる死への哲学 ほか

いのちの終(しま)いかた: 「在宅看取り」一年の記録

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渡部)小堀先生の「死を生きた人びと」からの繋がりで、映画『人生をしまう時間』の公開初日にお邪魔させていただきました。初日の記事にチラっと写り込んでました♪(笑)

 映画は想像していた通り、死生観や今後の自分を見つめ直し考えさせられる内容でした。涙はしないと臨んでいたのですが・・詳細はネタバレになるので割愛させていただきますが、死と向き合い死を受け入れる皆さんの所作に何度かウルウルでは止められずにポロリしてしまいました。

 いつか必ずこの映画の自主上映会を開き、多くの人びとに観ていただこうと心に誓ったことをここに記します。